りゅうえの1人で内省ブログ

ブログ初心者です。

初めてのお客様に頂いた1万円。大変なことになった6畳半。

初めて頂いた1万円。正確には仲間の分も預かって2万円。

 

仲間と不用品回収をしていた時の初めてのお客様だった。そこそこ年配の夫婦だ。由緒正しい住宅街の一角で、部屋は先代から受け継がれたままの姿だった。それは、ものすごい量の書籍や遺品だった。というのも昭和初期は、インターネットが無く、名刺やハガキなどすべてを現物で管理する必要があったからだ。当たり前に感じるけど、その紙の匂いや筆跡から感じる、当時の気配に少々圧倒された。

 

部屋の整理を無償で行い、代わりに不要なもの(価値のある)を頂くという話だった。当日は12時間ほどかかったが、仲間と二人で掃除をやりきった。結構な量のゴミ袋の山となったものの、回収日が異なるので、最終的にそれらを家の中の玄関先に運んで仕事を終えた。

 

夫婦には「ゴミの回収日に、またお手伝いを」と頼まれたが、この時は丁寧にお話しした上で、察していただき断るという選択をした。やらないことをやらないという勇気を持ったつもりだった。利益を出すことに、徹底的にこだわっていた。

 

しかし自責の念が消えなかった。「責任を持って仕事をしたと言えるだろうか。」「ゴミ出しで、本当に体は大丈夫だろうか。」結局、夫婦に電話をかけ直し、回収日の日に、無償で手伝いをさせていただくという話をした。

 

そして回収日の日、張り切ってゴミを出すと、意外にも10分で終わる程度だった。少し心配しすぎたなぁと思いつつ、夫婦と雑談をしていると会話に花が咲いて、驚きの共通点や繋がりを発見したりもした。ゴミだししたことや、会話相手になってくれたことをとても喜んでくださり、自身も損得勘定抜きで役に立てていることが嬉しかった。

 

そんな日の帰り際に頂いたのが、二つの封筒だった。「一万円成。」と書かれていた。

前日に一緒に仕事をした仲間の分も入っていた。

 

パラダイムシフトだった。それまでは「頂いたお金の分をしっかり働く」という考えだった自分に、「お金は、お客様に喜んでもらえた時には、後からついてくるものだ」という感覚が生まれた。

今でも関係は続いている。

 

本は結局一冊も売れず、自宅が大変なことになっただけだった。

今となっては面白い失敗もたくさんあり、不用品回収は良い経験だった。

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